シンクライアントとVIVER 2
VIVERはシンクライアントとは根本的に目指しているところが違うのではないかと思った。
巷で言うところのシンクライアントは、クライアント側にデータを保存させず、すべてのデータをサーバーで管理することを強制するシステム、と定義されている思う。「データの管理コスト」を削減するもの。近年の個人情報保護に対する注目度の向上を受け、データ管理コストを抑えるソリューションとして見直されている。ただし、「システムの構築コスト」は削減されるとは限らない。それは目標ではない。
VIVERは、「ソフトウェアではなく"ネットワーク"を"インストール"できるディスクレスな基盤を作るソフトウェア」と定義できる(この先この定義はコロコロ変わると思うけど…)。VIVERにおいて、クライアントにデータを保存させないことは最終目的ではなく、それは単にプラグインで達成される。
今まで「ファイルサーバーソフトウェア」や「ファイルクライアント(?)ソフトウェア」、あるいは「コンピュータにデータを保存させないソフトウェア」をインストールすることはできたが、「サーバーにのみデータを保存でき、クライアントにはデータを保存できないネットワーク」を"インストール"することはできなかった。インストールする先が一台のコンピュータである以上、「サーバー」や「クライアント」を想定することはできないから。この様なネットワークを構築するには、サーバーとクライアントをそれぞれセットアップする必要がある。それをみんなベンダーにお任せください!というのが、「シンクライアント」ということになると思う。
VIVERでは、シンクライアント性(クライアントにデータを保存させない)は単に「シンクライアントプラグイン」で達成される。
うーむ…できてもいないシステムのことを書いていても空想でしかないなぁ…これホンマかいな? はよ作れ〜
さてさて、VIVERは、シンクライアントシステムの中では「ネットワークブート型シンクライアント」が一番近い。でもこれは最後にとっておいて、「USBメモリ/CDブート型シンクライアント」(勝手に命名)との比較を。
USBメモリ/CDブート型シンクライアント
KNOPPIXやBerry Linux、NTTコムウェアとNovellが開発した製品が、このタイプ。
CDやDVD、USBメモリなどからコンピュータを起動する方式。乱暴に言ってしまえば、HDDから起動していたところを、HDD以外のメディアから起動しているだけ。しかし、HDDから起動するのに対して、「HDDにインストールした既存のOSを保ったまま新しいシステムを利用できる」「起動メディアへの書き込みをできなくすることで、システムが壊れなくなる」「書き込み可能メディアへのアクセスを制限したOSを載せることで、機密データの持ち出しを防ぐ」という利点がある模様。
要するに「HDDを含む、クライアント側に装備されたメディアへの書き込みを行わない(行わせない)」という点がキモ。クライアントにデータを保持させないため、シンクライアントと言える。
画面転送型やネットワークブート型とくらべると、ブートサーバー(勝手に命名)を必要としないため、外出先でも使えるという利点がある。でも逆にれは欠点にもなる。クライアントに対して間違いなくサーバーが存在しているのに対し、このタイプでは、サーバーはいないかもしれない。だから必ずしもクライアントはサーバーから制御されない。享受できるサービスは、サーバーがいなくてもなんとかなるものに限られる…かもしれない。…この先調査不足のため失速です…orz